エレン・ホワイトからベイツ氏への手紙


この手紙はエレン・ホワイト氏が同じ信仰を持っていた友人に送ったものです。 エレン・ホワイト氏は神様から送られた幻を見て、その一切をここに書いた。 文中の「見た」と「知った」と表現されているものは、本人が直接天使に天国まで運ばれて、幻の中で「見た」ことを書いているためです。

単語表

契約の箱 =十戒などが入っていた最も聖なるもの: 出エジプト25章
ケルブ =天使の一種、位の高い天使: エゼキエル28章
マナ =天国のパン :出エジプト16章
アーロンの棒 =祭司の棒: 民数気17:8
アドベンチスト  =世の終わりにイエス†キリストのやって来るのを待ち望んでいる人
エホバ =父の神様の名前の一つ: 出エジプト6:3 
  (注:この手紙はエホバの証人と無関係)
ヨベル =昔のイスラエルで50年ごとに催される大きな祭り: レビ25章
人の子、神の子 =イエス†キリスト: マルコ1:1、マタイ16章


メイン州トプシャム市、1847年4月7日

親愛なる兄弟ベイツ様へ、

この間の安息日に、いつも集まる親愛なる兄弟姉妹と共にハウランド兄弟の家で礼拝した。

祈っている時に特別に祈りの霊を感じ、そして聖霊が私の上に降りて来た。 私たち皆は大変喜んでいた。 私はすぐ、神様の栄光の幻に包まれ、この世のことが見えなくなった。 天使の一人が私の方にすっと飛んでくるのが見えたかと思うと、素早く、この地球から聖なる都の聖所まで連れて行ってくれた。 その中に入り、ドアを通って進むと最初のカーテンの前に来た。 カーテンが開かれ、そこの「聖なる部屋」に入って行った。 ここで香壇や七つの光を灯している燭台を見た。 更に、あがないのパンが載っているテーブルなどもあった。 その聖なる部屋の栄光を見てから、イエスが二番目のカーテンを開けてくれたので、私は聖所の最も聖なる部屋「至聖所」に入って行った。

至聖所で契約の箱を見た。 この契約の箱の上と全側面は最高の純金でできていた。 両端に美しいケルブが翼を広げ、契約の箱を覆っていた。 そのふたりは互いに向き合っていて、視線を下に向いていた。 その天使たちの間に金の吊り香炉があった。 そして天使が立っていたところ、その契約の箱の上に、非常に眩しい光があった。 この光は、神様が居る王座のように見えた。 イエスは契約の箱のそばで立っていた。 聖人たちの祈りがイエスに届くたびにその吊り香炉から煙が出て、イエスは、香の煙と一緒に聖人たちの祈りを自分の父親に捧げた。 その契約の箱にはマナが入っている金の壺、つぼみが生えたアーロンの棒と、本のような折りたたみ式の石板があった。 イエスがその石の板を広げてくれた。 そこに神様の指で書かれた「十戒」を見た。 広げられた石板の片方には十戒の中の四つの戒めがあって、もう一方には六つの戒めが書かれていた。 先の石板の四つの戒めは後の六つの戒めより明るく光っていた。 中でも四番目の戒めが一番明るかった。 それは安息日が神様の聖なる名前に栄光を帰すために特別の日、守るべき日、とされたから一番明るかった。 そこに書かれていた聖なる安息日の戒めは栄光の輪に包まれ、非常にきれいに見えた。 その安息日が十字架に釘で打ち付けられてはいないのを知った。 もし打ち付けられていたら、その他の九つの戒めも共に付けられたはず。 十戒の四番目だけではなく、みなを犯しても「良い」という結論に至る。 神様は不変の方なので、安息日を変えたはずがない。 しかし、「時間と戒めを変える」と預言されたとおり、法王が安息日を週の第七日目から第一日目に変えた。

もし、神様が安息日を第七日目から第一日目に変えたのであれば、今、天国の聖所の最も聖なる部屋にある契約の箱に置かれている石板に書かれている安息日の戒めも変えたはずです。 そうすれば、「第一日目はあなたの神、主の安息日です。」と天国にある石板にも書かれているはずです。 しかし、石板は神様が自分の指で、「第七日目は、あなたの神、主の安息日です。」と書き、シナイ山でモーセに渡したそのままであるのを見た。 この聖なる安息日は、今、神様の本当の民と不信者との間を分ける壁となっている上、これからもその役目を果たしていく。 神様が愛して、待っている聖人たちの心を一つにするうえで一番大きな問題は「安息日」である事を知った。 誰でも信じて、安息日を守る事に伴う祝福を受けてから、それに背いて、その聖なる戒めを犯す者は、自ら聖なる都の門を閉じてしまう。 この事実は神様が天国で治めている事と同じくらい明確です。 又、神様の子供たちの中に、安息日を知らないのでそれを守らない者がいるのを知った。 彼らは安息日についての教えを拒んでいるのではない。

「大患難の時」が来ると私たちは聖霊に満たされ、安息日をより詳しく伝え始めた。 この行動に対して教会と口先のアドベンチストたちが激動した。 なぜなら、安息日の真実を反ばくできなかったから。 この時、神様に選ばれた人は皆、私たちに真実がある事をはっきりと知ったので、彼らは出て来て、私たちと共に迫害を耐え忍んだ。 そして地上に剣、ききん、疫病、や大混乱を見た。 悪い人たちは、私たちがこういう裁きを招いたと思っていた。 それで彼らは立ち上がって、このひどい罰をやめさせるために、私たちを「地球から消そう」と協議した。 そうすれば「災害は治まるだろう」と思われていた。 

「額や手に獣と獣の像の印を受け入れない人は、誰でも、売買ができなくなった事を知った。 それに獣の像の数字ができあがった事も知った。 その獣は安息日を変えた。 そして獣の像が付いて行って、神様の安息日を守らず、法王の安息日を守っていた。 私たちはただ神様の安息日を見捨て、法王の安息日を守るだけで、獣と獣の像の印を受けることになる。

「大患難の時」の間、私たち皆が都会や村々から逃げようとしたが、悪い人たちに追い駆けられた。 彼らは剣を持って、聖人たちの家に入った。 剣を振り上げ、私たちを殺そうとしたが、その剣は壊れ、わらのように非力になって、落ちた。 その時私たちは助けを求めて、昼も夜も、ずっと叫んでいた。 そしてその叫びが神様のところに届いた。 すると太陽が昇り、月がとどまった。 すべての小川の水が流れなくなった。 暗くて、重そうな雲々が現れて、ぶつかり合った。 しかし、動いていないただ一ヶ所から澄んだ栄光が差していた。 そこから洪水のように神様の声が轟いた。 この声で天と地が震えた。 空は口を開いたり、閉じたりして、揺れていた。 山々は、草が風に揺れる様に、あちこちにごつごつした岩を吐き出した。 海はまるで煮えたぎる鍋のように、陸に岩を吐き出した。 神様がイエスの帰る日と時刻を告げた! そして自分の民に永遠の契約を伝えた! 神様が一句一句を言う間に、しばしの沈黙があった。 その間、神様が告げた言葉は地球の至るところを駆け巡った! 神様のイスラエルはエホバの口から出た大きな雷のような言葉を聞き続けた。 彼らが立って、じっと上の方を見ながらその言葉を聞き続けた! これは大変荘厳なものだった。 告げられる一句一句が終わる度に聖人たちは「栄光! ハレルヤ!」と叫んだ。 彼らの表情は神様の栄光で明るかった。 モーセがシナイ山から下りた時と同じように顔が輝いていた。 あまりの栄光で悪い人たちは見ていられなかった。 そして安息日を守ることで神様に栄光を帰した人たちに不朽の祝福が下ったとき、その獣と獣の像に対して力強い勝ちほどきがあがった。

それからヨベルが始まり、その時から土地は休めることになる。 敬虔な奴隷が勝利を得て、縛られていた鎖などを払い落とすのを見た。 その間、その悪い主人がどうしたらいいのかわからず、迷っていた。 なぜなら、悪い人たちは神様の言うことを理解できなかったから。 そしてすぐ、あの大きな白い雲が現れた。 それは今までよりきれいに見えた。 その雲に「人の子」が座っていた。 最初、雲にイエスの姿が見えなかったが、地球に近付くとそのきれいな姿が見えてきた。 この雲が最初に現れた時が、あの天にある人の子のしるしだった。 眠っていた聖人たちが神の子の声で栄光の不死をまとったままでよみがえた。 それから生きている聖人たちは一瞬に変わり、雲車に引き上げられてから彼らと合流した。 上の方に走っている雲の全貌は素晴らしかった。 車の両側に翼があって、下に車輪があった。 その車が上の方に走りながら車輪は「聖なる!」と大声で言い、翼が動くたびに「聖なる!」と大声で言い、そして雲の周りにいた天使たちも「聖なる! 聖なる! 聖なる! 全能の主、神様!」と大声で言っていた。 それで雲の中にいた聖人たちが「栄光! ハレルヤ!」と大声で言っていた。 このようにあの雲車が聖なる都の方に走っていた。 着くとイエスがあの黄金の街の門を力強く開け、その中に案内してくれた。 私たちが神様の戒めを守った上、命の木の実を食べる権利を持っていたので、あの聖なる都で歓迎してくれた。


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